練馬区がAIシステム導入 住民税の未納対策業務を支援
2024/04/15
練馬区は、住民税と国民健康保険料の未納対策業務を支援するAIの実現を提案し、富士通Japan㈱と共同で開発したシステムを4月1日から運用開始した。
未納対策では、未納者の資産や生活状況を把握するため預貯金等の調査が欠かせない。しかし、的確な調査には、多岐にわたる収納情報の整理など経験豊富な職員が持つノウハウが必要となるため、業務に精通したベテラン職員の確保が課題となっていた。
そこで、練馬区はAIの学習機能に着眼し、同社に業務の一部をシステム化できないか提案を行い、2年に及ぶ検討や実証実験の結果、ベテラン職員のノウハウ等をAIに反映させ最適な調査先候補を提示するシステムを共同開発した。
これにより、調査先の選定時間の大幅な短縮や、経験が浅い職員でもベテランと同等の成果が得られるようになる。あわせて、未納案件の難易度をAIが推定し、職員の能力に応じて担当案件をマッチングするシステムの運用も開始し、各職員の作業効果を高めていく構えだ。2種類のシステム活用により、未納対策の強化と、職員の対応力の底上げを図っていく。
また、未納者には低所得者が多くいる傾向を踏まえ、今まで以上にきめ細かく生活実態を把握できるシステムの特徴を生かし、未納となった要因を早期に捉え、福祉部門と連携して未納者の生活再建の支援も強化する予定だ。